地図と案内図

突然ですが、「地図」と「案内図」の違いって何でしょうか?

似て非なるこの2つ、どちらも似たようなもんじゃないの?と思われるかと思いますが、そこには明確な違いが1つあります。

それは、「主役が何であるか」です。

地図には大原則があります。それは「北が上」ということで、特に記載がない限り、それがお約束になっています。乱暴な言い方ですが、つまり地図にとっての主役は「北」という方角です。

では案内図の主役は何か?… それは「あなた」です。あなたが主役なので、上がどの方角であろうと関係がありません。上にあるのは、「あなたが行こうとしている場所」なのです。なので、「あなた」がいる場所は必ず「下」になります。

地図は誰が見ても同じ条件(北が上)であることが前提です。人によって見え方が違ってしまっては困りますが、案内図は「あなた」が「間違えずに目的地に到着する」ためのものなので、違う目的地を目指している人には役に立たなくても何の問題もありません。

カーナビを思い浮かべると良く分かると思いますが、「ヘディングアップ」(=案内図モード)で使用することがほとんどだと思います。なぜならカーナビは「あなたが行こうとしている場所」を案内するためのものだからです。以前某ラジオ番組で元TBSアナウンサーの久米宏さんが「カーナビは絶対ノースアップ(=地図モード)で使用する」と言われていましたが、そういう方は珍しいんじゃないかと思います(←失礼)。

「この話のどこがマーケティングと関係があるのか?」と思われるかも知れませんが、ここで一番言いたいことは「主役が何であるか」ということです。誰に対してのものなのか、ターゲットを明確にすることがマーケティングの第一歩です。そこから始まって、ターゲットに役立つ情報を提供し、最終的には購入していただくことが目的です。なので、ターゲットではない人向けの情報は入れる必要はありません。

逆に言えば、ターゲットに役立つ情報は何か?ということです。そしてターゲットに理解・共感していただくための内容を作り上げていくことが重要です。

自社のWebサイトやカタログをそういう目で見てみると、今まで見えなかった新しい改善点が見つかるかも知れません。