知っている人は知っている?
突然ですが、ここでクイズです。
これ(↓)は何ていう名前でしょうか?
「火災報知機」って書いてあるから、火災報知機なんじゃないの?とお思いでしょうが、防災業界では「発信機」って言います。
私は以前、防災機器の会社にいたので知っていますが、フツーはそんな名前、知りません。
当時、技術部門にいた同期が「発信機って名前、フツー知ってるんじゃない?」と言ったことがあります。なので私はこう聞き返しました。
「会社に入る前に、その名前、知ってた?」
返ってきた答えは、「知らなかった」でした。
私は現在、いろんなお客様のカタログやWebサイトを制作していますが、その打ち合わせの中で同じようなことが起こるときがあります。
その業界の人しか目にしないのであれば、専門用語を記述したほうが分かりやすいのかも知れません。しかしそうではない場合の方が圧倒的に多いです。
なので、「この言葉はお客様に通じますか?」と尋ねることがありますが、その時に
「知っている人は知っているから」
と言われると、私はこう思ってしまいます。
「じゃあ、知らない人は知らないんじゃん!」
カタログとかWebサイトの「役割」って何でしょうか?
私は「知らない人に会社や製品を知ってもらう」「会社や製品への理解をより深めてもらう」ものだと思っています。
なので、想定されるターゲットは「知らない人」です(ごく稀にそうじゃない場合もありますが…)。
社内の人が自社製品や専門用語を知っているのは当たり前です。しかしお客様は、あなたの会社のことなんか、そんなに気にしていません。
「知らない」からこそ、知ってもらうために努力しなければなりません。いかに分かりやすく、いかに伝わるかを考えなければなりません。
言葉の選択ひとつで、「その会社がお客様を大切にしているかどうか」まで透けて見えてくる。
私はそのように思います。